ガソリンの値上がりが止まらない。
ここにきて来月は190円台に突入か?という見方もある。一方でサウジアラビアは増産を表明。落ち着くどころか上昇の一途を辿る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080711-00000952-san-bus_all
ガソリン価格というと必ず「投機マネー」という言葉が出てくる。投機マネーが悪いかどうかは別にして、もし自分が数千億のお金の運用をやっている身になって想像してみる。
サブプライムローン問題で株は下落、投資としてはメジャーな不動産もモロに影響がある。お金を運用し増やさないと自分の首がとぶ。石油や穀物は長期的、短期的に見てもほぼ確実に上がる。
その状況で自分ならどうするか?それ程悩ましい問題でもない。迷わず石油買い。それで増やすのが多分普通の人の発想だろう。「投機マネー」の運用者が決して特別な事をやっているとは思えない。
しかし、この上がり方は「投機マネー」だけで片付けられるものでもない。ここの所の上がり方は異常だ。原油価格1バレル60ドル台だった頃、投機による上昇は20ドル程度というのが共通認識だった。100ドルに迫った頃は30〜40ドル。割合は変わっていない。需要による価格上昇も十分にある。
では、冒頭に述べた増産になぜ市場は反応しないのか?サウジの原油は重質油。油の種類が手間がかかる油なのだ。で、これを精製しないとガソリンとして使えない。しかし、精製するプラントそのものが不足している。要は、増産しても、市場に出回る量は大差ないのだ。
「ではプラントを増やせ」となるだろう。しかし、バイオ燃料の流行でそっち系のプラントが大量に出来た影に、原油を精製するプラントへの投資が進んでいない。よって精製能力はほとんど伸びないし、伸びる予定も無い。「今」高い状況で、「今」手を打っても、効果が出るのは数年かかる。だから増産しても価格は落ちない→需要は右肩上がりで上がる一方→それに乗じてマネーが流れる→さらに価格は上がる。現在そんな状況。
新規油田を開拓するにもコストがかかる。世界の石油、天然ガスの開発コストはここ10年位で3倍以上になっているという試算もある。今後開拓すべき石油のある場所は人類未開の地。さらにコストは膨れるだろう。
「投機が悪い」なんて単純な世界ではない。上昇には理由ある。だからお金が流れる。
「なぜ投機マネーが流れるのか?」という所から出発しないと本当の原因まで辿りつけない、世界はそれ程複雑だといういい事例だと思う。